ドルイドの魔法
ドルイドの使う魔法には、まず神託や予言がありました。しかし、その他にも、もっと魔法的な術や薬もドルイドは使っています。それらを紹介しましょう。
神託・予言
ドルイドの神託は、呪術師の行う神託とあまり変わりはないです。
ドルイドが瞑想して、神から霊感を得て、未来の事を予言するのです。
ただし、ケルト人は多神教なので、神の予言が必ずも正しいわけではありません。
ある神の意図が別の神にくつがえされる事は、しばしば起きる事なのです。
パナケア
樫の木に生えたヤドリギを原料として作られる万能薬です。不妊の動物に仔が授かり、あらゆる毒物を消す中和剤としても使われました。当然のことながら、正しい方式で採らなければ、効果は期待できません。
天候制御
ドルイド教は、シャーマニズムの一形態なので、その魔法にも影響があらわれています。高位のドルイドは、嵐や波、霧などを起こしたり消したり出来ます。さすがに、このような大規模な魔法は神の力を借りなければ起こす事は出来ません。この力があれば、軍隊や艦隊であろうと恐れる事はありません。嵐を起こせば艦隊は沈み、霧が出れば軍を動かす事は出来ないからです。
呪歌
ドルイドの魔法の多くは、詩の形で口伝されました。中には、詩として唱える事で初めて効果をあらわすものすらありました。その典型が呪歌です。心に響く詩歌は魔法の力を持っていたのです。この呪歌に習熟していたのが、バルドたちです。そのため、呪歌はドルイドの技というよりバルドの技と思われています。しかし、元々は、やはりドルイドの学ぶ詩歌の応用なのであるから、ドルイドの魔法と考えてもよいでしょう。〔王の評判を落とす歌を歌って失脚させる〕〔聞くものの喜怒哀楽を操る〕〔人を眠らせる〕〔味方の戦意を高める〕〔敵を呪縛する〕〔異性を誘惑する〕・・・・。
これらのような人の心を操る技を使ったといわれています。
空間をつなぐ
ドルイドの呪文は、唱え終わると効果も消えてしまいます。これでは、時間のかかる調査などは行えません。そこで、ドルイドはオガム文字を発明し、聖なる樹の枝に刻む事で、呪文を維持する事ができるようにしました。このような魔法は、二つの場所の空間を魔法のパイプでつなぐようなものでした。そのパイプを通してものを見れば、調査の魔法になります。ケルト神話の神々であるトゥアサ・デ・ダナーン〔女神ダヌの一族〕が、アイルランドにやってきて先住者のフォモール巨人と戦った時にも、神々のドルイドであるフィゴルが、このようなパイプを敵との間に形成し、そこから火を送って敵の活力を奪い、味方の神々に分け与えた事すらあると伝えられます。
変身
変身とは、特殊な形態の転生であると考えられています。ドルイドが杖に念をこめて振り下ろすと、人間を犬や白鳥、豚などに変えることが出来ます。これは転生なので、ほとんどの場合、もとの姿に戻る事は出来ません。もちろん、ドルイドがもう一度魔法をかければ別なのですが。
ケルトの文字〔オガム〕
本来、ケルト人は文字を持たない民で、あらゆる伝承は口伝でした。だが、さすがに不便なので、近くの民族のアルファベットなどを借用して記録するようになりました。バルカン半島に住むケルト人はギリシア語を使っていたし、北イタリアにいたケルト人はエトルリア人のアルファベットから借用したレポント語を使っていました。そのうち、ケルト人独自の文字が工夫されて、使われるようになりました。それが、4世紀頃にアイルランドで作られたといわれるオガム文字〔Ogham〕です。オガム文字は、ゲルマン民族のルーン文字と共通した部分があります。何より、石や鉄に刻む込むのに適する形をしていたところ、魔術をかけるのに使われたところ、やがて書きやすいラテン文字に駆逐されたところなどです。特にゲッシュ〔誓い〕を行う際、その誓いを忘れず強化する為に、ゲッシュを愛用の武器や碑文などに刻み込む事もありました。アイルランドの英雄ク・フリンの逸話に、敵の戦士団に追われたク・フリンが、『片手・片足・片眼だけで樫の枝の環を作れぬもの、この先通るべからず』というオガムの碑文を残して敵を足止めし、窮地を脱するという話が残っています。
|
オガム文字
|
アルファベット
|
名称
|
意味
|
|
1
|

|
B
|
Beithe
|
birch 樺〔の木・材〕、樺の枝のむち
|
|
2
|

|
L
|
Luis
|
blaze or herb 火炎、〔強い〕光/ハーブ
|
|
3
|

|
F(V)
|
Fern
|
alder 榛の木
|
|
4
|

|
S
|
Sail
|
willow 柳
|
|
5
|

|
N
|
Nin
|
fork or loft フォーク/ロフト
|
|
6
|

|
H
|
(h)Uath
|
fear(?) 心配、畏敬 ?
|
|
7
|

|
D
|
Dair
|
oak 樫
|
|
8
|

|
T
|
Tinne
|
rod of metal 金属の棒
|
|
9
|

|
C
|
Coll
|
hazel 榛
|
|
10
|

|
Q
|
Cert/Queirt
|
bush 低木、茂み
|
|
11
|

|
M
|
Muin
|
neck 首、えり
|
|
12
|

|
G
|
Gort
|
field 野原、畑
|
|
13
|

|
NG
|
(n)Getal
|
wounding(?) 傷つける、〔感情を〕害する ?
|
|
14
|

|
Z
|
Straif
|
sulfur 硫黄色の、黄緑色の
|
|
15
|

|
R
|
Ruis
|
red(ness) 赤
|
|
16
|

|
A
|
Ailm
|
? ?
|
|
17
|

|
O
|
Onn
|
ash-tree トネリコの木
|
|
18
|

|
U
|
Ur
|
earth この世、大地
|
|
19
|

|
E
|
Edad
|
? ?
|
|
20
|

|
I
|
Idad
|
? ?
|
|
21
|

|
EA
|
Ebad
|
? ?
|
|
22
|

|
OI
|
Or
|
gold 金、財産、富
|
|
23
|

|
UI
|
Uilen
|
elbow ひじ
|
|
24
|

|
IA
|
Pin/Iphin
|
pine 松
|
|
25
|

|
AE
|
Emancholl
|
double c ダブルC(?)
|
|