偽ディオニュシオス
Pseudo-Dionysius
西暦500年頃・・ディオニュシオスと名のる中東の謎の多い著述家が聖書のなかに散らばる天使の話を調べ始めました・・・。
燃える剣を持ってエデンの園に立つ智天使〔ケルビム〕から、預言者イザヤの唇に焼けた石炭を押し付けた6枚の翼をもつ熾天使〔セラフィム〕までを、彼は調べたのです・・。これらの断片的な話から、彼は多少独断的に、最低位の守護天使から最高位の燃える熾天使まで天使の9階級を作り上げました。そして不幸なことに、この中東の著述家は自分の作品にディオニュシオスという署名をしてしまいました・・。古代のキリスト教徒たちは早合点して、この人物が、同じディオニュシオスという名前の有名な初期のキリスト教徒だと思ってしまったのです。彼らが誤って同一視したのは、聖書の『使徒言行録』に出てくるギリシア人の判事です。だが、この中東の著述家が考え出した理論は結果として世において広く受け入れられることとなりました。
後世の学者達により本当のディオニュシオス(ギリシア人判事)が生きていた時代よりも何世紀も後にかかれた文書であると証明されるまで、誰も疑わなかったのです。こうした理由から、学者達はこの中東の著述家を偽ディオニュシオスと呼ぶようになりました。このディオニュシオスが考え出した天使の階級については、山と積まれた反論があるものの、キリスト教国では未だに最も支持を集めている説なのです。『私の考えでは、位階とは、出来るだけ神に似たものになるところの、また神から自分に与えられた照明に応じて自分の能力に従って神を模倣すべき上昇するところの聖なる秩序であり、知識であり、活動である。』
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