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失楽園

それは・・時の始まりに起きた天国の善と悪の天使の戦争、アダムとイヴを誘惑して神に復讐するサタン・・。そして・・人類の救いについてが記される・・・ラファエルは人類の友とでも呼べるべき天使でエデンの園でアダムとイヴと夕食をともにするということをしています。
ラファエルは天使についてをアダムに、体を形作っている優れた物質のせいで天使は男にも女にも、時としては・・その両方にもなれるのだと説明しました。傲慢なサタン〔時にルシフェルと同一視されます〕が神に反旗を翻した天使たちを率い、神に忠実な天使たちとの間に山をも引きちぎってしまうほどのすさまじい戦いを繰り広げました。悪い天使たちは痛みを感じ、善い天使たちはそうではありませんが・・
神の子〔イエス・キリストはまだ人間としては生まれていませんでした〕が戦闘に参加するまでは勢力は拮抗していました。
神の子は雷を投げつけてルシフェルの軍隊を恐れおののかせました。天国の水晶の壁が開き〔底なし〕の穴蔵が現れると、反逆天使たちは先を争って中に飛びこびました。ルシフェルと彼の配下にある天使たちは地獄の大地に落下し、燃える湖につながれてしまいました。やがて身の自由を得た堕天使達と、彼らの首領である神の雷によって顔に傷を受けたルシフェルは地獄の首都である万魔殿〔【すべて悪魔】の意味〕を建設しました。ルシフェルの扇動により、地獄の議会は即座に宣戦布告を行いました。一方神は神の子を遣わして、アダムとイヴを含む世界を六日間で創らせました。サタンは神への復讐のため、初の人類をついに堕落させることには成功しましたが、復讐そのものの目的は達成できませんでした。サタンが自分のしたことをほくそ笑おうと地獄に帰るとき、神は彼と仲間の天使を蛇に変えてしまったのです。天界での戦争の時・・・アブディエルはサタン配下の天使達のなかで唯一、神に対する反乱を起こせという命令を拒否しました。天国で王座を獲得するため・・冒涜的にもサタンはまず自分の配下の者達を反乱計画に参加するよう説得しなければなりませんでした。
彼は配下の天使達を集めて会合を開きました。サタンは天使達を前に、神への忠実な奉仕を卑しい〔屈従〕と呼び、卑屈な従属者の状態に置かれている彼らこそが本来、支配階級であると説いたのです・・。しかし、アブディエルは、自分達を想像した存在に対して謀反を起こすというのは、操り人形が糸をさばく人形遣いに反抗するようなもので、正気の沙汰ではないと、サタンの演説を妨害したのです。
アブディエルは、神がサタンを創造したのであるから、サタンが創造主より弱いに違いないと論じました。しかしサタンはアブディエルの意見に対して、それは違う・・、なぜなら私は被造物ではないのだから・・と反論しました。これは〔虚偽の父〕たるサタンの嘘の一つなのです。
アブディエルはサタンに同意せず、騙されてサタンのとてつもない過ちに荷担させられる運命にある他の天使達を残して、その場から飛び去っていきました。マモン・・天界の戦争で負けて堕天使となるまで、神の御顔を仰ぐよりは金が敷き詰められた天国の歩道を見ることに時間を費やしていました。
この結果、彼はその行為にふさわしい身分に品位を落とすことになったのです。堕天使となった後、金に目のない彼は、悪魔達が首都として建設している万魔殿の資材確保のため火山の地下に眠る貴金属を捜し当てるという役目に就きました。イギリスの商業主義に辟易したに違いないヨーロッパ大陸の神秘主義者によると、後になってこの強欲の王子は地獄からイギリスに派遣された大使となりました。マモンという単語は福音書におけるイエスの言葉の中にも見られます。「誰も、二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を軽んじるか、どちらかである。あなたがたは、神とマモン(世俗的な富)とに仕えることはできない・・。」
サタンにとって最も腹立たしかったのは、神が追放された天使たちの占めていた場所に道徳的にも精神的にも成長する時間を得た人間達を住まわせようと考えていたことなのです。彼と悪い天使たちは天国から追放された復讐として、アダムとイヴを腐敗させようとしているのです。ウリエル・・太陽を統治する存在であり、堕罪にいたる悲劇的な一連の出来事での中心的役割となっています。サタンは天国での戦争に負けて悪い天使とともに追い出されてしまった後、神に対する復讐を誓うのです。サタンは、最も有効な復讐の手段は神の最も新しい創造物であるアダムとイヴを腐敗させることであろうと考えました。しかしサタンは地上界におけるアダムとイヴの居所である〔エデンの園〕の場所がわかりませんでした。そこで・・彼は天使の姿に変身し、太陽まで飛んでいってウリエルを騙してエデンの園の場所を聞き出した後に、地上に向かいました。ウリエルは後になって騙されたことに気づいて、人類を護衛するためにエデンに留まっているガブリエルとその他の天使の護衛隊にこの件を知らせるため太陽の光に乗って楽園の門まで降りていったのです。しかし・・・人類最初の男女を守っている警備体制は十分ではなかったのでした・・・・。ガブリエルは、エデンの園で野放しの状態になっているサタンが一切の罪を犯していないアダムとイヴにとって危険な存在であることを知ったのです。そこで・・ガブリエルは天使をやって魔王サタンを捜しに行かせました。やがて、イシューリエルとゼポンがサタンを見つけました。
この時、サタンは眠っているイヴの耳元で、ヒキガエルの姿を借りて誘惑の言葉をささやきかけていました。サタンの声を耳元で聞いていたイヴは忌まわしい夢を見ることになったのです。イシューリエルが槍で触れると、サタンは本来の姿に戻りました。
サタンはあまりにも醜いので本来の姿を認めることが困難です。〔地獄のならず者〕は計画を邪魔されましたが・・サタンがささやきかけた言葉はイヴの心に悪の根を植え付けてしまったのでした・・・。ガブリエルはまだ罪を犯していないアダムとイヴを守っている天使たちに警護が失敗に終わり、引き上げを命じました。サタンはこの時ありとあらゆる手を尽くして二人の生活の邪魔をしようとしていました。天界での戦争に負け楽園を追放されたサタンが復讐を狙っていることは知られていました。天使たちは神の新しい創造物である人類がルシフェルの餌食になることを恐れ、エデン周辺の警備を強化したのでした。
サタンがルシフェルと呼ばれるのは・・この星の輝きがサタンの輝きに例えられているからです・・朝日に抗う最後まで輝く星を・・神に対抗しようとしたサタンと同一視していたのでしょう・・・エデン・・・古代シュメール語では〔平原〕を意する言葉。エデンの園の中央には命を与える木と人に善悪の知識を与える果実をつける木がありました。
園からは・・河が流れ出し・・チグリス・ユーフラテス・ピソン・ギホンの支流に別れて流れていました。
(ピソンとギホンという河の名前はそれぞれナイル河とペルシャ湾の古代名であると考えられています。)アダムは禁断の木の実を食べるまではエデンの園の神や天使たちと自由に話ができていたのです。彼はエデンの園を管理したり、動物達に名前を付けたりして時を過ごしていました。ある日・・サタンが園に蛇を忍び込ませ、イヴが一人でいるところをつかまえたのです。
蛇はイヴに、自分が話せるようになったり賢くなれたのは禁断の知識の木に成った実を食べたからだといいました。そして、イヴは木の実を食べ、アダムも彼女に従ったのです・・・。堕罪の後罪と死が現れ・・天国と地上、そして地獄をつなぐ幅の広い混沌の道・・混沌とした場所が生み出されたのでした・・・・。悲嘆にくれるイヴは自殺しようとしましたが、アダムは大天使ミカエルがイヴの子孫の一人イエス・キリストが彼らの罪をいずれあがなう、と予言したことを伝えたのです。アダムはエデンを追われてから夜が訪れるのをはじめてみて恐怖を感じました。エデンの園では永遠に昼が続いていたからです。
最初の夜という精神的な苦痛を受けた翌朝・・彼らは初めての日の出というショッキングな出来事に出会います。
二人は日の出を、燃える神が二人を焼き尽くしにきたものだと思い込んでしまったのです・・・。初の人類である二人に安堵を与えるため、神はミカエルに命じてインド洋の海域にある光り輝く黄金の杖を、ガブリエルとラファエルにはエデンの園から香とミルラといわれる独特の香りをもつ樹脂を取って来させました。天使たちはこれらの三つのクリスマスプレゼントのような贈り物をアダムとイヴのところへと運びました。二人が住んでいた薄暗い〔宝の洞窟〕の中では、夜になると光り輝く黄金がとりわけ役に立ちました。伝説によると・・堕罪によってもたらされた他のものは、エデンの快適な天候に対する酷暑・極寒の季節、また動物の共食いもその一つであると言われています・・・。