索引
体内
inner body〔nephroi〕 「腹」あるいは「胃部」のようなもので、異邦人と同等の「組
織」〔body〕の低位段階のメンバーのカテゴリーのしるしを意味する。
太陽
sun〔helios〕 太陽暦の貴任者で「太陽」と呼ばれたザドク家の大祭司ミカ
エル。この称号は、ザドクの子孫たる洗礼者ヨハネが用いた。洗礼者ヨハネの死後、ア
グリッパ一世、アグリッパ二世が継承した。また、アグ
リッパ二世が東方の伝道団の最高神官となることをとりやめた
のちに、そこでなお用いた称号でもあった。
高い
high〔hypselos〕 クムランをモデルにした修道院の祭具室の演壇。
互いに
each other〔allelon〕
改宗異邦人の長。
舵手
steersman〔kybernetes〕 地中海とローマの異邦人たちに対する伝道団である、「ノア」
の頭であるヘロデ。
多数の、多量の
much〔polys〕 多くの〔many〕の項を参照。
助ける
help〔boetheo〕 〜の夫となる。
ただ今
at now〔arti〕
nyn〔〔現今〕〔今すぐ〕〕と区別する上で、arti〔now〕と訳出。artiは祭司段階A―R―T―段階Aの祭司、段階Rでヘロデに代わってTのしるし〔サイン〕を示す者―の語呂合わせで用いた。『黙示録』では、A.D.十五年にはヘロデ家の者はいないことから、これは〔老いた〕アナヌスのことであった。彼のみが人々の宗教的支配者であった。『黙示録』では、ヨナタン・アンナスは〔今から〕と呼ばれているが、これは彼が、自分をヘロデ家から独立した指導者と考える、〔老いた〕アナヌスの伝統的教義を捨てなくてはならない立場にもいたことを意味していた。これは、Ant.200に示されている彼の干渉の姿勢、またA.D.50年のサマリア人アナニアス〔神の前で嘘をつき妻サフィラとともに命を失った男〕との同盟とも一致している。
(門を)たたく
knock〔krouo〕 外界から祭具室へ戻る祭司の役を務めること。
ただちに
at once〔eutheos〕
正午の祈りが終わる時刻の五分後の時点で、会衆は自分たちの席につき、各扉が閉められた。この語は諸福音書では〔その時刻に〕を意味するeuthysの形で、頻用されている。
竪琴
harp〔kithara〕 賛美歌が歌われる聖務の際に竪琴を奏でた、ダビデと同等の
立場の竪琴の奏者ファニュエル
食べ尽くす
eat down〔katesthio〕
聖なる食事を行うのではなく、共通の食事〔食物を回して食べる〕を行う、あるいはそれに制限する事。この共通の食事は共通のテーブルで催される村人達の夕食と同等であった。高位の者を共通の食事に制限する事は、そのものが懲罰を受け違法であるという事か、あるいは高位のテーブルで彼と食事を取る事を拒絶するという事であった。
食べる
eat〔esthio〕
パンを食べる共餐の食事に参加する事で、レビ人の権限と教えを受ける事を表わしていた。
魂、霊魂
soul〔psyche〕 「体」〔body 身廊も意味する〕の脇の東側のテーブルに座す、祭
司の地位にあるヘロデ。『黙示録』のアルケラオス、『黙
示録』、『言行録』のアグリッパ一世、アグリッパ二世。あるい
はこの地位でヘロデに代わる祭司教父。『黙示録』では、
この語にはキリスト教の祭司教父としてのペトロに関する形容
修飾句がついている〔神の言葉と自分たちが立てた証のために殺さ
れた人々の魂〕。
堕落した、汚れた
filthy〔rhyparos〕
クムランの北西地区にある修道院から追放された独身者は南西地区に送られたが、そこでは遮断水槽と祭司達の共同便所が見つかっている。その独身者は夢精のような罪を犯した事から、ここでは「堕落して」いた。そのものは黒衣をまとい、自分の白衣の洗浄を義務付けられ、数日後に修道院へ戻る事が出来た。修道院の構内のうちの四つの区画が『黙示録』に示されている。
誰が
who?〔tis〕 「誰が」〔Anyone〕としてのアグリッパ(このギリシャ語は両
義に用いられている)。
誰が(を)〜でも
whoever〔hosoi 複数形〕、whatever〜する者は何でも(hosa 複数形)
祭司たちあるいは永久的異邦人独身
主義者たち、及び彼らの場所――whosoever(hoitines)「誰が(を)〜でも」
〔whoeverの強意〕である君主側の
異邦人独身主義者たちと反意で。
誰も〜ない
no one〔oudeis〕 特定の独身者センターの侍祭長で、祭司を補佐するうえで上
階または中階に立つことができるが「誰も〜ない」(ラテン語の
Nemo)とみなされた。エルサレムやユダヤでは、これはダビデ
の皇太子であり、イエスの弟ヤコプは、『ルカ』、『マ
ルコ』、『黙示録』の「誰も〜な
い」であった。エフェソでは、それは、『黙示録』の施錠・
開錠の儀式(locking ceremony)の描写に出てくる「誰も〜な
い」であり、また『黙示録』の侍祭である、ヘ
ロデの皇太子であった。『黙示録』の「誰も〜ない」の
ヤコブの死については聖所「sanctuary」の項を参照されたい。
血
blood〔haima〕
『黙示録』に頻出するこの単語は、血のしたたった一杯の発酵ブドウ酒を意味したが、これは聖餐時に限ってすすり、自由に杯を乾すことはなかった。この習慣は次の段階を経て、キリスト教の共餐にかかわりを持つようになっていった。
a修道生活を送るエッセネ派信者が入会時に新しいブドウ酒を受けるのに対して、エッセネ派の既婚信者は、厳格な禁欲主義者の修養下に置かれていない証拠として、発酵ぶどう酒を飲んだ。
b彼らがナジル人の制約を立て段階八に昇格する際、ナジル人が既婚状態に復帰する時は、発酵ぶどう酒を飲んだが、その際は抑制を示すために少量をすする程度であった。ナジル人ではなく結婚を自制しているエッセネ派の巡礼者たちは、日常的にぶどう酒を飲んだが同じ抑制を用いていた。
c村のエッセネ派巡礼者の指導者はダビデであり、受難の僕としての役割において〔子羊〕の称号を用いていた。受難の僕とは、独身者共同体でその禁欲主義的修養が地の人々の罪を讀った者であった。エッセネ派は動物の生贄そのものを放棄し、代わりに、禁欲主義のつとめを行うようにした。
dダビデは贖罪を行った者である証拠として、自らの血のしたたりを村の巡礼者たちが用いる主杯に入れた。これは過越祭で演じられる儀式での光景だが、子羊の血を各扉に塗りつける過越祭の子羊の儀式を反映していた
e発酵ブドウ酒の杯をすする事はしたがって、〔血を飲む〕讀いの生贄を認める事と理解された。杯は〔子羊の血〕であった。
fこれに由来する使用法は、冠詞を伴う〔血〕〔the blood〕がブドウ酒の杯を意味し、冠詞を伴わない〔血〕〔blood〕が血のしたたりを意味した。『ヨハネ』では、〔血〕〔a blood〕はイエスの血そのものを意味している。
熱狂者の蜂起の時点で、イエスの父ヨセフの下でクムランを訪ねた巡礼者たちはこの〔血〕という言葉を用いており、また巡礼者たちにとってこの〔血〕は、熱狂的動機を持って進んで殉教を受け入れる事を意味していた。イエスの下では、これは彼の教義の目的の為に違う種類の殉教を受け入れる事を意味していた。
他の祭司や禁欲主義者たちは受難の僕役を務めることができた。ミカエルが〔体の中に〕いた際、真紅の衣をまとい、司教の役についていたが〔scarlet〔真紅、緋〕の項を参照〕、血のしたたりを杯に入れることもできた〔―洗礼者ヨハネの父でザドク家の者〔ゼカリアの血〕〕。ヘレナは司教就任を要求し、そこで彼女もまた〔血〕を与える事ができた。アシェルの頭領であるヘレナの後継者は〔月〕として、ナジル人の誓約を離れた際〔血〔のように〕なった〕が、女たちもまたこれを実践し、ブドウ酒をすすり段階十一に復帰する事ができた。
小さな
little〔mikros〕 大いなる「great」の項を参照。異邦人の体系では、この語は
「リトル・ダン」〔小さなダン〕((ヨッパ) に拠点を置いていたダ
ン族の一部)を、さらにもともと段階一一にのみ進むことを許
されたハムの子ら、つまりダンの異邦人たちを暗示した。『黙示
録』の「小さな者すべて」は、ヨッパの集会場所の
長としてのアグリッパを意味しており、そこでは彼の財産が若
干保管されていた。彼は、ヨッパで「革なめし職人のシモン」
となったシモン・マグスを中央で制御できなくなった。
小さな
small〔oligos〕 わずかな「few」の項を参照されたい。
小さな本
book,little〔biblaridion〕
『ヨハネの福音書』を含む冊子本で、始めは、聖書として公認され、一書ずつ配布されていた。A.D.四三年九月、アグリッパの十六歳の誕生日に写本が一冊献呈され、ヤコブ・ニケタの宗団、続いてヨハネ・アキラに再び割り当てられたのはこの時であった。この本を作ったヨハネ・マルコの党派がアグリッパ一世の毒殺の策謀に関わった事から、この本は〔腹部を苦くさせた〕が、最終章の追加で改訂されたとき、本は〔甘く〕なった。
知恵
wisdom〔sophia〕 サドカイ派の学校に付属していたアシェルの異邦人たちの教
師に対する名称で、学校ではユダヤ人たちに「思慮」〔understanding〕(nous)を与えた。
熱狂者たちやヘロデ派の民族主義者たちはこの地位に特定の女性を
置いていたが、キリスト教徒の異邦人たちは特定の男性を登用
した。ヤコブ・ニケタは、AD44年の分離に際してエフェソ
の隠遁所でこの地位に就いた。それは長
老の段階であった。日付の体系では、この地位によって「日二」
を表す「月曜日」の知恵の教師が誕生した。『黙示録』
の七日を反映する、そなえるべき特性のリストで
は、「知恵」は月曜日の位置に登場している。真珠「pearl」の項
を参照されたい。『黙示録』では、預言者はヘレナに
代わってエフェソの知恵の教師となる者で、両者は共にアシェ
ルの宗団に属していた。
近い
near〔engys〕 ある党派が別の派より三年半早く閏の挿入をする際に、太陽
暦の閏挿入方法から生じた用語。こういった諸
年の間には、二重の日付を持つ日があり、一つは閏の挿入をし
た党派のための日付で、もう一つは挿入しなかった党派のため
の日付であった(この点は十字架刑の日付にとって重要である)。両方の
日付を示す一覧に両方の日付が併記されているので、一つの日
付がやがて別の日付に「近く」なった。
近くに、〜のまわりに
about〔kyklothen〕
座聖堂内の中階を支える二本の柱の各位置。そこには、レビ人のファニュエルとラファエルが、正午の礼拝の後に両側に座す。この二つの位置で彼らは、中央の正午の円のまわりを囲む、より大きな六キュービットの円の周辺に位置しており、それで〔〜のまわりに〕〔kyklo〕という語の形が用いられる
力
might〔kratos〕 もともと王を代理する第三ランクの祭司たる王の〔お抱え〕祭
司で、王の戴冠式に際して主に冠を載せたが、それをもって王
の上に立つ者ということではなく、王自身の代役を務めた。こ
れは、「奉じる、抱く」〔embrace〕を意味するつかむ「krateo」
の語呂合わせを含んでいる。「全能」(all-mighty)〔pantokrator〕
となると、「すべて」〔All〕を表したヘロデ家に対する王の祭司であった。
力
power〔dynamis〕 無割礼者担当の祭司であるミカエルの僕ことファニュエルの
地位。ギリシャ化した会堂及び付属の独身者共同体では、彼が
正午の礼拝を行った。シモン・マグスはファニュエルとしての
この地位を要求し、改宗者たちを無割礼のままにし、「偉大なる
者、神の力」と自称した。アンナス家の大
祭司の補佐役はファニュエルであった。
ここからキリスト教の司教の地位が誕生した(真紅、緋「scarlet」の項を参照)。
『黙示録』の聖務者たち
への七種類の支払いリストでは、十分の一税ではなく俸給が平
信徒司教に支払われたことがわかる。彼は以前のリストでは筆
頭にあったが、聖務者たちを平信徒とする二番目のリストでは、
キリスト教徒たちへの聖務の俸給を受けたユダヤ人祭司たちの
特別な範疇に置かれている。
知識
knowledge〔ginosko「知識を身に付ける」と訳出〕 いろいろな霊知教育を受けること。
地上
earth〔ge〕
村の会衆の指導者としての王である者。この地位でのヘロデは、祭司の地位より低かった。二階式の構造では、「地上」はまた、窮乏者が見られた北の端で二キュービット〔の位置〕に立つ事ができた。三階式構造では、彼は内陣の階段に立つことが出来たが、そこは窮乏者がひざまずき、割り当ての「パン屑」を貰うところであった。〔地上に投げ出される〕あるいは〔地上に落ちる〕とは、還俗するか平信者の王としての役を担う事であった。AD6〜26年にかけての期間、ヘロデが不在のケースでは、ダビデがその場所を占有した。シモン・マグスは、反ヘロデ派にあってヘロデの地位を主張した際は「鷲」と呼ばれていた。
知性(知力)
intellect〔gnome〕 サドカイ派の学校に付属するダン族の独身異邦人の学校。『黙
示録』では、AD70年の主導権争いの間、ガイウ
スは指導的地位を主張したが、間もなく諸学校はアグリッパ派に転じた。
父
father〔pater〕
サリエルは、公的な大祭司としてヘロデが用いた称号である〔父〕であった。またサドカイ派の祭司達も用いた。アラム語では「アッバ」〔Abba〕であり、この形はサリエルが治療行者の共同体〔非共住修道士〕の頭領役にあった際に用いた。ここから「大修道院長」〔abbot〕の語が生まれた。
中間の
middle〔mesos〕 礼拝を行う二キュービットの円の下半分。『黙示録』
では内陣の階段上。また中階上。
中天、中空
mid-heaven〔mesouranema〕 上階には「天」が含まれている三階式の建物の中階。
長老
elder〔presbyteros〕
priest〔祭司〕の項を参照。
沈黙
silence〔sige〕 閏の挿入。
仕える
serve〔latreuo〕 キリスト教の礼拝の聖務を持つこと。
月
month〔men〕 ユリウス暦の月。「月三」 (「三カ月」)は三月、「月五」(「五カ
月」)は五月、「月六」(「六カ月」)は六月。この単語は月の一日
に用いられた。単数形で数字がつかない場合、これはユリウス
暦の年初の月、つまり一月一日を意味する。
「月五」については苦痛「torment」の項を参照。「四
十二カ月」はユリウス暦の月の初日から計って三年半を意味する。
月
moon〔selene〕 「太陽」の女性パートナーたる者。太陽は大祭司ミカエルであ
るので、異邦人の母役を務める彼の妻もしくは女性の長が「月」
とされた。ラテン語ではルナ〔luna〕。これがヘレナの地位であ
った。クレメンスの 『説教集』では「彼(洗礼者ヨハ
ネ)は三十人の幹部を配し、毎月、その月の員数合わせをして
いたが、そこでは〔三十番目の〕数はヘレナと呼ばれる(他には
ルナと呼ばれる)特定の女性であった。『黙示録』で
は、ゼカリアの妻ことエリザベトが「月」であり、またアグリ
ツパ二世は「太陽」の称号を用いる際は彼の妹で妻でもあった
ベルニケが「月」の称号を持った。この地
位にある女性は異邦人の教師役を務めた。この女性は、ヨセフ
スがベルニケの項で示しているように、ナジル人の状態にあっ
ては教師役であった。ナジル人はぶ
どう酒を飲まず、既婚状態まで下がった際は、再びぶどう酒を
飲んだが、ぶどう酒を「血」としてすすったにとどまった(血「blood」
の項を参照)。このことから「月が血になった」のである。
『黙示録』では、ベルニケが、二十九人の男性聖務
者リストにすぐ続いて登場している。これは前述のクレメンス
の『説教集』が記した体系を反映するものである。
つくる
make〔poieo〕 宗教的な務めを果たすこと。
角
horn〔keras〕 「角」は、ヘロデが「子牛」の称号を受けた後、子牛であるラ
ファエルに対する名前として用いられた。ラファエルは書記、
つまり段階クフの修道院の独身主義者の長であった。彼は改宗
者の入会の担当であった。イスカリオテのユダの死後書記を継
いだテウダは、『黙示録』に出てくる「角」であった(「四」
は「シナイ写本」にはないが、「天使四」としての彼の地位に関
する知識を示すものである)。「角一〇(十の角)」は低位の段階
一〇にある無割礼異邦人の立場を守るこの地位の者を意味して
いる。『黙示録』のヨアザール、
イスカリオテのユダ、ガイウス・コストバ
ル・ヘロデである。無割礼者たちを完全入会者として段階七ま
で昇格させたイエスは「角七」であり、「羊
の僕」であるシモン・マグスは段階二の平信徒の長老まで彼ら
を昇格させ、そこで「角二」ということであった。
この用語は『黙示録』13章に出てくる人物を意味
すると受け取れるが、第一節の「角」(複数形)は、第四節の複
数動詞の人称主語である。
翼
wing〔pteryx〕 内陣階段の西側の聖歌隊「セラフィム」〔熾天使〕のメンバー
の両袖のついた衣装。治療行者たちの聖歌隊は、内陣の東側の
「ケルビム」〔智天使〕と西側の「セラフィム」に擬せられ、『イ
ザヤ書』に登場し王の戴冠式で三聖誦を歌う聖歌隊の様
相を呈していた。『イザヤ書』に出てくるセラフィムは「六
つの翼」を持っていた、つまり「翼六」を段階六の侍祭であっ
たその〔聖歌隊の〕指導者が身に着けていた。
「翼二」は平信徒の改宗者であった聖歌隊の女性メンバーが身に着けていた。
つまずき石〔障害物〕
stumbling block〔skandalon〕
伝道団への入所を希望する異邦人らの必要条件は割礼の義務
であり、それはパウロの論理にとっては重
要なイメージであった。この「つまずき
石」はもともと、クムラン祭具室の扉の外の上の丸い台座で、
「里程石」とも呼ばれた。無割礼者はこの地点から先に進むことは許されなかった。
罪
sin〔hamartio〕 結婚状態のこと。「罪人たち」〔Sinners〕は、王族の独身主義
者を指す。「聖者」〔Saints〕(聖なる者〔Holy Ones〕)の反意語
であった。「罪から解放される」は「結婚状態から独身状態への
昇格を許されること」を意味する。
強い、力のある
strong〔ischyros〕 段階一〇からスタートする低位もしくは村の諸段階のメンバ
ーたちの頭。段階一〇になるとメンバーは、正式に認められた、
あるいは「強くなった」とされた。強さ(能力)「strenght」の
項を参照されたい。彼らには王家の皇太子も含まれていた。『黙
示録』の「もう一人の力強い天使」である十六歳の若
いアグリッパは彼の父の補佐役に指名された。『マルコ』
の「すぐれた方」は、皇太子より一段階上のダビデであった。
「カある者」は、皇太子の複製としての治療行者の長であった。
強さ(能力)
strenght〔ischys〕 段階一〇のメンバーたちを「強く」するよう指導する仕事を
持つ執事(言行録では、「強くする」のが二十歳の
時であることが示されている)。この執事もしくは同等な者は、
レビ人執事のメラリであり、報酬をもらっていた。
剣
sword〔machaira〕 村の聖職へ人々を受け入れたり、排除するのに用いた「霊の
剣」で、諸修道院で使われた広刃の刀〔rompahia〕に相当する。
手
hand〔cheir〕
人体の特定部位につけた、またはそこで持った物を人体部位の名称で呼ぶ習慣から、「手」は手に持った物を指す。つまり聖なるパンのパテナ〔聖パン用の皿〕である平たい皿の事であった。「(右)手の刻印」はこの皿に刻まれた文字で、皿を持つ者の段階を示していた。また皿の上に置いた杯は「手に持つ杯」となっている。なお、皿の上に巻物、杯や杖を載せるのに十分なスペースがある大皿を用いたのだが、その際は、そういった物が神聖であり、直接手に触れないようにした。
パテナを持つ事が出来る者は侍祭に限られており、侍祭は中階または上階の側面に立ち、祭司に手渡す用意をした。その手が頭から二キュービット離れていることから(ちなみに、一キュービットは肘の長さ)、担当侍祭は僕の位置の中心から二キュービット離れて立った。中階の正午の円は、「顔」と考えられており、それで「右手」は演壇への延長部分を支える東の支柱にかかっていた。しかし祭司が内陣の階段に立つ場合、そこでは異邦人担当の祭司は右手を内陣の階段の東側において立たなくてはならなかった。
右手が文字通りの意味である場合は「右」〔右の手〕〔dexia〕が用いられている。また会衆に対し南向きの際には、その者の右手そのものは西側にあった。イエスが「右手に七つの星(星七)」を持った際、イエスはイエス・ユストゥスを内陣の階段の西側に置いたのであった。この目的の一つはイエスが侍際である事をアグリッパ…イエス・ユストゥスが東側で彼に仕えた…に対してだけでなく、彼自身にも示す事であった。
停止する、停止
cease, ceasing〔anapauo, anapausis〕
ヨセフスが示すように、エッセネ派の修道士たちは午前十一時に作業を止め、浸礼槽につかり、そして聖なる食事を取った。
〔停止する〕は『ルカ』にあるこの時刻に用いられている。午後二時の食事の終了もまた〔停止〕と呼ばれたようだ。
正午の時間〔セッション〕はヘロデ派の者達への聖務で食事ではなかった。聖務が午後二時まで続く場合、彼らは〔停止しなかった〕のであった。
『黙示録』の句では、午後二時の時刻を示している。
敵
enemy〔echthros〕
全ローマ人を代表するローマの総督。シリアのマルサス総督。「敵を愛す」は「ローマ人高官に愛餐を許す、つまりローマへの友誼を示す」という特別の意味を持っていた。
鉄
iron〔sideros〕 「エジプトの鉄炉」と呼ばれたエジプト人の治療行者の禁欲主
義的修養。『黙示録』では、学校システムの中レベ
ル。この学校の上級生は鉄の杖を持っていた。
〜でない
not〔ou,me〕 ou'me両語ともnotを意味するが、二つ連続する場合、ギリ
シャ語では文法的根拠によって起こりうることだが、なお否定
的な意味合いを持つことがある。それは、ペシェルでは否定で
はなく肯定〔肯定を表す二重否定〕を示すnot not(〜でなくはな
い)とみなされることになる。これは重要な違いを生じさせる。
天
heaven〔ouranos〕 ミカエルあるいはへロデの地位にある者で、その名前で祈り
がささげられた。この者はヒエラルキーの最高位にあった。侍
祭はこの者に仕えそばに立てたことから、「天にある」とされた。
イエスが十字架刑後に「天に運び上げられた」時(ルカ)、彼はクムランの祭具室の演壇の祭司の場所に導かれ
たのであった。三階式の建物では、「天」は最上階であった。
AD44年まで、クムランは評議会のセンターとして用いら
れ、「天」の諸機能を残し、一方ミルドは贖罪が行われる聖所を
含んでいた。ディアスポラのユダヤ人とキリスト教徒の仲間た
ちの新しいセンターがエフェソの座聖堂と隠遁所に共に設立さ
れた日から、その両方共に「天」を含んでいた。「天」はまたロ
ーマにも設立された。
天使
angel〔angelos〕
指定時間の祈りの担当である、独身者共同体に付属するレビ人または独身者〔ここからキリスト教用語のangelus〔朝・昼・夕に祈りの時刻を告げるアンジェラスの鐘〕が由来する〕。七曜〔七日〕には七人の天使がいた。〔天使〕は東方側の修道院に属していたが、西方側の村に使いとして派遣され〔ヘブライ語のmal’akは両方の意味を持っている〕、それでエフェソに現れた。これは、世界の西方上位地区を表わしていた。
ミカエルは、週の開始時のゼロと週の終了時の日七として土曜日の担当であった。後者の場合、彼は〔天使七〕〔七人の天使〕と呼ばれた。統治者ヘロデはこの地位を保持していた。アグリッパ二世亡き後、サドカイ派の祭司がこの地位を継いだ。ミカエル〔ヘロデ〕が〔体の中にいた〕とき、彼はファニュエルと同等の段階三で、それで、「天使三」と呼ばれた。治療行者の長はコハテと同等の場合、〔天使四〕と呼ばれた。彼が修道院に付属していた際、彼は〔底なしの淵の天使〕と呼ばれた。
〔もう一人の天使〕は祭司教父として、ヘロデの代理役を務めたサドカイ派のものであった。彼は『黙示録』ではサドカイ派の〔若い〕アナヌスであり、他では別のサドカイ派の者が登場する。ただし〔もう一人の強い天使〕は、代理役としてのヘロデ家の皇太子を意味している。
『黙示録』の〔天使十二〕は、大司教への昇進で、段階十二の無割礼異邦人の新しい地位についたエフェソの族長であった。〔天使〕はいまや、七日と同様に十二ヶ月に渡って司祭を務めた。
アグリッパ二世の没後、イエス三世はキリスト教の独身者共同体の長となり、彼の〔天使〕は彼の代理役であるキリスト教の教父であった。エフェソで対応する族長は、『黙示録』のサドカイ派教徒に対する〔天使〕であった。
天秤
slave yoke/scale〔zygos〕
所有財産すべてを引き渡して奴隷になる修道士の財産を評価
〔検量〕する天秤ばかり。刻み石の重りが一個アイン・フェシェ
カの遺跡で発見された(de Vaux,Archaeology and the Dead Sea Scrolls
〔デ・ヴォー〕)。
〜というのは、なぜなら
for〔gar〕
アルファベットのギメル(g)とレーシュ(r)の語呂合わせで、あるものが段階二レーシュのサリエル祭司であり、また階層三、C(ヘブライ語アルファベットの第三文字としてのギメル。)で独身者でもあることを意味する。独身平信徒が、シモン・マグスのように、祭司となることを要求した場合、この単語garは彼に用いられた。『マルコによる福音書』では、garは名詞として文末に持ちいられている。
銅
copper(chalkos)
階層A、B、Cの祭司、レビ人、独身者らが、それぞれ金、銀、宝石類に擬せられていた一方、治療は銅に擬せられていた。というのは、治療行者は隠遁者として小額の銅貨を与えられていたからであった。治療行者の長の名前のひとつに「銅細工人アレクサンドロ」というのがあった。治療業者達は、村の生活に戻り私有財産を手にすると、銅貨を禁欲主義者の金庫に預けた。『黙示録』の「銅で作ったもの」は、AD43年に勢いを増し反ローマのテウダに取って代わっていた治療行者の長アポロを代表とする西方のローマの為の、代理役としてのアグリッパを意味していた。アポロはパウロに「多大の害をもたらした」「銅細工人アレクサンドロ」であった。『黙示録』では、この語は段階8つまり村の入会前の者達のレベルを示している。
銅・乳香
copper-frankincense(cholkolibanon)
聖書では他に出てこない語で「磨いたブロンズ〔青銅または黄みがかった褐色〕」を意味していたと思われる。しかし、これは、「銅」〔chalkos〕と「乳香」〔libanos〕〔カンラン科の植物の芳香性の樹脂。公式の宗教儀式で香としてたかれた〕を混ぜ合わせたものとして発明されたのであった。というのは、これは「銅」と呼ばれたダビデが支持した異邦人修道士の共有財産を意味していて、彼らは村の治療行者階層(copper「銅」の項を参照)と、また会堂参列前に乳香で衣服を白くする規則に従っていた村の禁欲主義者たちとも同等であったからである。こういった異邦人達は会堂への訪問者としてスタートし、キリスト教徒の下で、ユダヤ人修道士と同じ地位にまで昇格した。
頭環〔(王)冠、記章〕
diadem〔diadema〕
教導者のヘッドバンドの記章で、階層Dの平信徒の支配者がつけたことを表した。『黙示録』で〔角10(十本の角)には王冠10(十の王冠)があり」とあるように、段階10の無割礼異邦人が単なる平信徒の資格しか持っていないことを、教導者が確認したのであった。また『黙示録』では〔頭七(七つの頭)に冠七(七つの冠)をかぶっていた〕とあるが、これは教導者が独身でない村人達に対して段階七を与えたことを意味していた。というのは、教導者がファリサイ派(ヨアザール・ボエトゥス)であり、彼の宗派には修道士体系がなかったからである。『黙示録』ではイエス・ユストゥスが、平信徒の指導者であるダビデによって〔多くの冠(頭環)〕をかぶらされた。
とげ
sting〔kentron〕 「死のとげ」はつまり、アンナス
家の祭司が持った破門の権限を表す笏のことである。
年
year〔etos〕 ユリウス暦を守る者たちの新年。『黙示録』では一月一日、
あるいは聖霊降臨祭〔五句節〕の日。
土台
foundation〔themelios〕
祭司、レビ人より下位にあった独身主義者達の評議会。ヘブライ語のsodに相当し、『死海文書』ではこの語義で用いられている。「土台十二(十二の土台)」は、今や会衆の指導者として評議会のユダヤ人の長の代わりをつとめる、段階十二の評議会の長。
(他の者と)と共に
with〔meta+属格〕 同じ段階の別の聖務者に加えて評議会では、一方のリーダー
が反対派のリーダー「と」〔with〕論争をした。
〜となる、〜となっている
become〔eimi〕
become〔〜となる〕はto be〔〜になる〕の訳出に用いられたが、ヘブライ語用法のペシェルにのっとったもので、単にbe〔〔なる〕または〔ある〕〕というよりむしろ、〔出現する〕を意味する。ギリシャ語ではこのbeを意味する動詞は用いられていない。
A.D.四十四年の分離後、エフェソは伝道の拠点、またアンティオキア・エルサレムは東方派、ローマは西方派の拠点とみなされていた〔以前は、バビロン、アンティオキア・エルサレム、エフェソ・ローマの三ヶ所に分かれていた〕。動詞〔〜となる〕は、これら各所のメンバーとなる事、過去形はローマのメンバーとなる事を指した。〔今おられる方〕〔The
Becoming One〕は、エフェソのサドカイ派祭司を意味している。したがって、〔〜となる〕は、『黙示録』のパートBでは、〔エフェソで起こる〕ことだけを意味しているのである。
扉
door〔thyra〕
この語は、〔扉〕を意味するヘブライ語の文字ダレット(D)の語呂合わせを含んでいる。レビ人の息子ことファニュエルは、村の祭司として扉の〔蝶つがい〕であった。(priest「祭司」の項を参照)。〔扉〕とは彼の僕である侍祭の場所であった。
竜
dragon〔drakon〕
ファリサイ派の大祭司の偽名。AD6年、ヨアザール・ボエトゥスは竜、子牛、獣からなる民族主義の三頭統治を担った。カイアファはAD18〜36年には、ファリサイ派の大祭司であった。復活した三頭当地では後のファリサイ派の大祭司、またAD100年には別の大祭司〔が竜〕であった。
鳥
bird〔orneon〕
コハテの称号の一つに〔鳩〕〔the Dove〕があったが、そのコハテとなることを要求したガイウス・コストバル・ヘロデに対する名称。peace〔平和〕の項を参照されたい
奴隷
slave〔doulos〕 単数形の「奴隷」はもともと、文字どおりヘロデ一家の奴隷
であった。ローマのヘロデの屋敷でぶどう園の伝道団が創設さ
れた際、ヘロデ家の奴隷たちは会員資格が与えられたヘロデ派
のユダヤ教の食事で給仕をしていた。ヘロデがユダヤにあると
きは、奴隷たちはローマのヘロデの屋敷から新メンバーらの会
費を持ち帰り、彼に新規入会者の数を示した。それらの会費は
たとえの中の「ぶどう園の果実」であった。
複製の複数形では、「奴隷たち」はローマの伝道団の
頭の地位にあったヘロデ自身を指していた。複数形のこの語は、
『黙示録』ではアグリッ
パ二世を、『マタイによる福音書』ではアグリ
ツパ一世を指している。また『黙示録』
ではへロデの敵手ことカルキスのヘロデ、さらに
ヘロデ派の伝道を継続したヘレニズム化したへロデ
を指している。
異邦人は奴隷と同じ地位を持っており、
「奴隷」という語をぶどう園の異邦人伝道者たちに用いる
ことができた。交易を仕事としていた既婚者のヨハネ・アキラ
は、伝道活動では一銭の収入も得ておら
ず、旅行時の実費のみを与えられ、この意味では彼は奴隷のよ
うなものであった。この「奴隷」という語は彼に用いられてい
る。『黙示録』では、治療行者の指
導者になったパウロのローマ人の党派のメンバーであるエファ
フレスにも用いられている。
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