索引
焼き尽くす、焼く
scorch〔katakaio〕 「エジプトの鉄炉」として知られる治療行者の修養に従う者た
ちは、クムランの祭具室ではそこの炉を燃やし続けるために炉
の近くに立った。炉の真ん前に立つと、彼らは「焼き尽くされ
る」ことになり、一方、炉の近くの戸口に立つ者は単に「温め
られた」。「焼き尽くす」は彼らの
軍事教練の一部として受け入れられていた。治療行者たちが指
導した異邦人もまた、ナジル人の訓練に従う女性たちがそうで
あったように「焼き尽くされる」こともあった。
(〜の表面を)焼く、焦がす
sear〔kaumatizo〕 焼き尽くす、焼く「scorch」の項を参照。マサダの修道院に
おいてクムランの祭具室の諸宗規を用いること。
養う
feed〔trepho〕
安息日の排泄の禁止によってユダヤ人のエッセネ派に禁じられていた金曜の夕方の食事を、女性や異邦人達が食べるのを許す事。この語は、金曜日を示す事から日付の指示でもある。
ヤシの木
palm tree〔phoinix〕 フェニキア――この名前〔Phoinike〕はヤシの木に由来する
――のツロとシドンに集まるアシェル宗団の紋章。これは、と
りわけそのヤシの並木でつとに知られるジェリコとかかわりが
あり、ジェリコはベ
ニヤミンの「アブラハム一族」宗団の集会場所であり、またフ
ェニキアはアシェルの「サラ宗団」の集会場所であった。ジェ
リコに近いクムランにイエスが来た時に用いたナツメヤシの枝
は、アシェルの異邦人が運んだものであった。
「教会」はアシェルの宗団から出たものだが(教会
「church」の項を参照)、ヤシの紋章はその教会で用いたものの一つ
ペトロのパテナ〔聖パンを置く皿〕にしるされていた。
山
mountain〔oros〕 「山」とは、治療行者の修養のような規律の下にあった隠遁所
のことで、治療行者は出エジプトの比喩的表現として「シナイ
山」を用いていたが、これは支配側のヘロデ家からの独立を主
張する表現であった。クムランの祭具室は、反ヘロデ党がその
祭具室を利用していた間は、その〔独立の〕立場に立っていた。
AD34年以降は、この党派はサマリアのカイサリアに自分た
ちの主要拠点を設立して、それ以降この「山」はサマリア人の
反アグリッパ派の指導者――ローマとの平和を信じるサドカイ
派、またローマとの一戦が避けられないとするマギ派の熱狂者
たち双方の――を意味するようになった。また「山々」〔複数形〕
はサマリア人の長の称号であった。AD50〜51年に、サマ
リア人大祭司アナニアスはヨナタン・アンナスと手を組み、国
外にあったアグリッパ二世からの独立をはかった。憤激、激しい怒り
「fury」の項を参照されたい。アナニアスは『黙示録』
に出てくる「山々」であり、ヨナタン・アンナスもまた「山々」である。
『黙示録』の「山々は見えなくなった」はユダヤ戦争の勃発時に起こったサマリア
人の大祭司アナニアスの死を指している。
AD70年に、エフェソでは、サマリア人大祭司アナニ
アスの死後、ガイウス・コストバル・ヘロデがサマリア人の伝
統を継続、アグリッパに反目し、「山々」〔他訳で
は、七つの丘〕と呼ばれた。彼は、地域七の
エフェソの隠遁所の長として「山々七」と呼ばれていたが、こ
の引喩はローマに対するもので、エフェソの隠遁所がローマか
ら来た異邦人らの上級学校としてみなされていた事実にもとづ
くものであった。彼らはローマにあっては段階一〇であったが、
エフェソでは段階七に進級した。
『黙示録』の「火で燃えている大きな山(のようなもの)」
は、AD9年のアルケラオスの退去後〔解任は六年〕にローマに
上記のような隠遁所が設立されたことを指している。この「大
きな山」はAD22年にエフェソに引き戻されているが、
これはローマから諸修道院が追い払われた
時のこと、そしてアグリッパ二世の没後のことであった。『黙示
録』の「シオンの山」は、エルサレムの門に付属して
おり、サドカイ派のマタイが管轄していたオリーブ山の隠遁所を意味する。
夕食をとる
sup〔deipneo〕 夕食の共通部分〔回して飲食する〕に参加すること。午後六時
から十時までの通常のエッセネ派の食事の場合、最初の二時間
。治療行者にとっては、真夜中。
ユーフラテス川
Euphrates〔Euphrates〕
東方地域の西境界、バビロンに接するところに建っていたダマスコの修道院。クムラン修道院のメンバー達は彼らの「ヨルダン川」の聖水と、水路「キドロン」を用いていたが、分離したダマスコ修道院のメンバーは専用の水路つまり「川」の聖水を使用し、それを「ユーフラテス川」と呼んでいた。
床
bed〔kline〕
祭司または独身主義者の床で、既婚者の床はkoite。『黙示録』では〔床に伏せさせられる〕は〔独身主義者にさせられる〕を意味している
ユダヤ人
Jew〔Ioudaios〕 ペシェルの語義では、この語はただ「ユダヤ人」ということ
ではなく、「割礼を受けた既婚異邦人階層の長」を意味してい
た。ヘロデ家はもともと異邦人ではあったが、禁欲主義者ある
いは既婚者としての暮らしを選択し、ユダヤ教徒となった。三
代目ヘロデは「ユダヤ人」と呼ばれる既婚者を代表した。なぜ
なら、彼らがすべての面でふつうのユダヤ人のような暮らしぶ
りであったからだ。この階層の長は、複製を表す複数形を用い
て「ユダヤ人たち」〔Jews〕と呼ばれた。福音書時代において
は、この「ユダヤ人たち」は四分領主アンティパスを意味して
いた。彼が〔四分領主を〕退いた後に、『使徒言行録』に
出てくる「ダマスコのユダヤ人たち」、カルキスのヘロデが跡を
継いだ。その後、AD48〜49年にカルキスのヘロデが没す
ると、ダマスコの共同体に支持されたこの偽のヘロデは、「ユダ
ヤ人たち」と呼ばれた。
ゆるめた、解き放たれた
loose〔lyo〕 (書物を)読んだり(人が)聞いたりできない「封印」された
状態から解き放つこと。七十人訳聖書の後半部である新約聖書
の密封部分にある封印は、書物を読めるように結びをほどく際
にゆるめられた。平信徒の状態にあった者
は、完全な独身主義者になった時点で「放たれた」。
「罪から放たれた(解放されたこ)」は、
「既婚状態から独身状態へ昇格すること」を意味している。『黙
示録』では、「解放された」禁欲主義者は修道院〔生活〕へと昇格した。
容貌、顔
visage〔opsis〕 ファニュエルが「太陽」であるミカエルの僕として払暁の礼
拝を導いた際、彼が身につけたかぶりもの。
『エゼキエル書』にあるようにザドク家のミカ
エルがターバンを巻かねばならなかったことから、おそらく同
様のものであった。ザドク家のターバンから教皇のミトレ〔冠〕が生まれた。
欲望
lust〔epithymeo〕 ヘロデ大王以来性的、財政的な行き過ぎがきわだっていた、ヘロデ役を務めること。
預言
prophecy〔propheteia〕 もともとは『エノク書』 に示された、太陽暦主義者たちが支
持した復興と終末の預言。『黙示録』
に出てくる「この書物の預言」とは新約聖書、とくに『ヨハ
ネの黙示録』の対応する諸章節を意味する。『黙示録』
で、アグリッパ一世に敵対するマタイ・アンナスは、ローマに
いる若いアグリッパは預言の対象であると発言し、またこの「預
言」という語はヘロデの後継者に用いられたのであった。
『テモテヘの手紙一』で、パウロは、テモテ(ア
グリッパの跡継ぎ)が旧約聖書の預言の対象であると発言し、
またキリスト教徒としてのヘロデ家の皇太子は「預言」と呼ば
れた。預言者「prophet」の項を参照さ
れたい。『黙示録』では、ヘレニズム化したヘ
ロデは、「預言の書物」つまり七十人訳聖書ではなく、「この書
物の預言」つまり新約聖書に従うように警告されたのであった。
預言者
prophet〔prophetes〕 『ヨハネの黙示録』の複製を表す複数形にのみ見られるもの
で、ヘブライ語の旧約聖書(歴史・律法書、預言書、詩書<文
学>に分かれる)のうち預言書〔の預言を〕読み取ったヘロデ家
の皇太子を意味する。『黙示録』ではテモテに、
別では後継の主張者たるカルキスのヘロデに、
また別では戴冠式前のアグリッパ二世に、他では後の皇太子に用いられている。
汚す
defile〔molyno〕
『神殿の巻物』にある夢精に関しての宗規に違反すること。違反者は修道院の外へ出て衣類を洗浄する義務を負った。
ヨハネ
John〔Ioannes〕 恵み「grace」の項を参照。
夜
night〔nyx〕 主格では、ラファエルである真夜中担当のレビ人。『黙示録』
では熱狂派の一人のレビ人。
喜ぶ
rejoice〔chairo〕 結婚式用の村の聖なる食事をとることで、文字どおりの意味
と「花嫁」としての異邦人の入会儀式。
四分の一
fourth〔tetarton〕
〔地上の四分の一〕とは「地」の下の四つの九分の一番目のことであった(third「三分の一」、tenth「十番目の」の項を参照)。この四つの区分は、貧しい人、腰の曲がった人、目の見えない人、足の不自由な人(非共住修道院禁欲主義者の四つの階層を形成していた村の福祉受給者達)であった。貧しい人とは治療行者であった。『黙示録』では、アポロが〔地上の四分の一〕を管轄する治療行者の長に任命された。この節の年月日(AD50年三月十七日)は、フィリポで「地震」(アポロ)の影響が感じられた年月日とまったく同じであった。
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